地方シェアリングシティ作りの初期・中期・長期戦略

シェアエコで地域創生

地方シェアリングシティ作りにおいて、初期・中期・長期でどのように取り組んでいくかの戦略をまとめてみました。

シェアリングシティ作りの初期メンバーの3つの集め方

①ITリテラシー高めの初期メンバーを集める

今回、最低限Facebookを使えるITリテラシーの人達を集める為に、Facebookでメンバーを集めることにしました。

もし参加メンバーの大半がスマホ、アプリなどのツールの使い方で躓くレベルだと、パソコン講座になってしまい、普及活動の効率が悪くなることを避けたかった為です。現在の参加メンバーがシェアエコの活用法や意義を学んだあとで、ITリテラシーの低い周りの人に広めてくれることを狙っています。

②対象地域との事前の繋がりが必要

事前に対象地域に知り合いがいなければ、初期メンバーを集めることがそもそも不可能です。

自分の場合、初期メンバーを集める当ては、福井県鯖江市に1ヶ月間プチ移住&現地でセミナーした為、その繋がりだけでも3~4人は初期メンバーが集まる手ごたえがあったこと。

また、鯖江市長が昨年2度も会ってくれて、シェアリングシティ化に前向きだったので、行政と連携できる恩恵を受けられるのではと思ったことがあります。

ただ、一番は、福井県鯖江市に2年移住していたフリーランスの師匠、井元さんが鯖江のNPO・地域活動などの関係者に顔が広く、彼の影響力による集客が9割頼みという状況でした。

井元さんのご協力がなければ、現地NPOなどにつながりを作る為、3ヶ月~半年くらいの事前準備が必要でした。今回、自分の場合は井元さんのおかげで、プロジェクトを3合目からスタートできたという感覚です。

③地域活動を積極的にしているアクティブなメンバーを初期メンバーにするメリット

結果、NPO主催者、大学教員、自治体の方、東京で元Airbnbホストなどの強力な初期メンバーを集めることができました。

参加メンバーのフェイスブック友人の平均人数が800名以上いて、影響力のある方々ばかりです。
対して、自分のフェイスブック友人数は200名以下という落差。

元々各メンバーで横の繋がりを持っている人も多く、地域活動などですでに横の繋がりがあるゆるい地域コミュニティの一部に、自分のプロジェクトを入れてもらったような感覚もあります。

こうした影響力の強い参加メンバーにマンツーマンやグループワークなどで、シェアリングエコノミーの活用法やそのメリットを深く知って頂き、コミュニティの価値観を広めてもらうのが重要です。コミュニティの価値観を固める前に、拡大路線を取ってしまうとプロジェクトが回らなくなる可能性があるからです。

シェアリングエコノミーを体験した後に広めてもらうのは任意なのですが、元々地域活動に興味のある方が多く、すでに自発的にチラシを配ったり、口コミしてくれたりしている方が多いことに感動を覚える日々です。

「影響力のある人達に実体験としてシェアエコで成功体験を持って頂くこと」に専念しながらルール固めをし、その後にメンバーを一気に拡大していくというステップを踏んでいきます。そういう意味でも、はじめの半年間は「浅く広く」ではなくて、まずは「深く広める」フェーズです。

「副業支援」と「つながり作り」の目的を切り分ける

対面前提のシェアサービスは、福井県全体で3~20人しか登録者がいないシェアサービスが多い状況。
登録を推進しても、マッチングが起きる可能性が限りなく低いので、登録者のモチベーションが上がらないという根本的な課題があります。

その解決策として、「副業支援」と「つながり作り」でサービス別に目的を切り分けます。

収益を得やすいシェアサービス(例:ココナラ、ランサーズ)で、月数万~十数万円レベルの副業達成を支援することで、まずは金銭的なメリットを感じてもらう事を優先させます。

また、ブログ育てて広告収入を得るなど、シェアサービスの範囲外であったとしても、オンライン上で地方の人が副収入を得る効果的な手法としては同じなので、シェアサービスにこだわらずに収入向上の支援を積極的にサポートします。

収益性の高い副業サービス活用と同時に、人間関係が豊かになる効果がある「対面型スキルシェア」も同時に使ってもらいます。

対面型シェアサービスは地方では登録人数が少なく、直近で収入につながる可能性は正直低いです。

前者の副業支援サービスで稼ぐ方法を積極的に提供する代わりに、後者のサービスへの登録にも協力してもらうバランスで進めます。

長期的には、後者の対面型サービスが活発に使われることで、人と繋がりやすいシェアリングシティを実現していきます。

今後のオンラインサロンの中期的な計画について

2018年2月~3月

オンラインサロン内のルールを固める

実際にメンバーと色々話したり、色んな施策を試して3ヶ月。ルールを固めて、新規メンバーが何をどの順に取り組めば良いのかを「見える化」する。

福井県の各シェアサービス活用の全体像が分かる専用サイトを立ち上げ

サイトの目的は、福井県の活発なシェアサービス活用を「見える化」すること。

  • 都市部から移住しても豊かな暮らしがしやすいことを魅せる
  • 本業収入だけでは心配な場合、+αで副業収入・節約する為の拠点があることを伝える
  • 福井県で現地交流するような旅行をしたい人にオススメの方法を伝える
  • 他の地域のシェアリングシティ作りにも活かして頂けるように活動をより見える化する

2018年4月~5月

カリキュラム作り&事務局作り

SHARE BASE鯖江で教えていることをカリキュラムにまとめる。
初期メンバーで5人くらいはシェアサービスで結果を出して、教える側としても協力してもらう。(教える人が一番学べるという効果を狙う)
定例オフ会は運営事務局だけでも回せる仕組みを作る。

サロン月額課金化

無料だと本気度がどうしても下がるというのもあり、実際にメンバーに一通り体験頂いた後に、月1,000円~程度の課金をする。
※2年間で都内だと30万はする起業支援サービスと同等レベルのサービスを、相場の1/10以下で提供する。

2018年6月以降~

メンバーを増加させる。

ルール・カリキュラム・事務局が固まった段階で、福井県のテレビ、新聞、フェイスブックなどで露出を増やしてメンバー拡大化を狙う。
メンバーが30人超えた時点で毎日「もくもく作業会」を実施できるリアルな拠点を準備していく。

長期の目標について

2018年の目標

必要なメンバーを揃える。「SHARE BASE 鯖江」参加メンバー100人超。

2019年の目標

SHARE BASE 鯖江メンバー100名以上で、

・副業収入が年間合計1億円以上。
・対面型シェアサービス利用を1,000回以上

※1人当たりの副業収入を月10万円、対面スキルシェア利用を月1回の利用目安です

上記を目指すことで、経済効果及び、自然な人のつながりによる人間らしい生活ができる街を目指します。

シェアエコの本質は「人との自然な繋がりになること」であり、それは「対面型」のシェアサービスが1番に生み出しやすく、対面型シェアサービスの利用回数をSHARE BASE鯖江の成果指標にすることにしました。

そして、福井県(主に鯖江市)を地方のシェアリングエコノミー普及率No.1にして地方創生のロールモデルにすることを目標にします。

以上、一歩一歩、着実に進めていきます。