※この記事はNewsPicksで2,300pick超えを果たした自身の寄稿記事です。
シェアエコだけで生活している、シェアリングエコノミー実践家の加藤こういちと申します。
シェアリングエコノミーサービスを1,000回以上、50種類以上、340万以上のお金をかけて使用して、家、仕事、人間関係をシェアエコでまかなう生活を実験的に始めて1年。今回、シェアエコだけで本業レベルの収入を稼ぐに至った経緯、方法をお伝えいたします。
参考記事：僕が会社を辞めてシェアエコ生活を始めた理由——家も収入も友人全てをまかなう
シェアリングエコノミーは、社会の遊休資産（スキル・モノ）を活用したCtoC(消費者間取引)サービスのことを主に言います。民泊のAirbnbや、家事シェアのタスカジが有名です。
こうしたシェアエコの中でもスキルシェア分野については300回以上実践した結果、1日平均4時間の仕事時間で月60万～100万の収益を上げるライフスタイル主体型の生き方ができるようになりました。
メインで使用するシェアエコは、自分の「空き時間」を30分から個人間で売ることができる「タイムチケット」で、僕の収入源の8割を占めます。
会員数25万人以上いるこのサービスで、歴代売上ランキング1位にまで伸ばすことができました。
シェアエコだけで月30～40万円を稼げるに至った経緯
2017年7月に会社員から独立したばかりの頃は、「Webサイトの改善アドバイス」のスキルを、1時間3千円単価で販売し、月5万円程度の収入を得ていました。
東京での生活費としては圧倒的に足りない為、フリーランスとして独立後は月20万円ずつ貯金が減っていく生活に危機感を持っていました。
売れ行きに悩んでいた時に、実際に売れているサービスを研究していくと、「費用対効果が分かりやすいサービスが売れやすい」ことに気づきました。
そこで、費用対効果が見えにくい「サイト改善スキル」ではなく、「集客できるサイト作りのスキル」という切り口に切り替えたところ、売れ行きが少し良くなっていきました。
価格を値上げするタイミングは「とても良いレビュー評価が連続して入った場合、値上げOKなシグナル」であると捉えて、半年かけて自分の時間単価を数千円ずつ上げて、今では1時間2万円の高単価まで値上げできたことで、月収60～100万まで伸ばすことができました。
1. はじめは低価格から
色んなサービスを観察して分かった事としては、どんなに凄い経歴の人でも、レビュー評価が少ないとプラットフォーム内での評判が担保されない為、はじめから高額でサービスを売り始めても1件目の注文が入りにくいということ。
一般的に、業界の相場価格への意識が強いプロほど「値下げしてはいけない」と考える傾向にある為、はじめは低価格から販売する必要があるシェアエコの商売ルールでは逆に負ける戦術になってしまいます。何の経歴もないアマチュアの方が低価格からせっせとレビューを貯めてスキルも同時に磨いていくので、結果的にアマチュアからセミプロに育っていった人の方が稼げるようになる場合が多いです。
2.レビュー評価が「命」
シェアエコは個人間取引による品質の不安をレビュー機能で信用担保している以上、「レビュー評価が命」であり、価格以下のサービス提供をしてしまうと命取りです。人気サービスになるのを目指すのであれば、常に価格以上のサービスになるように、サービス設計する必要があります。
私自身、常に販売価格の3倍～5倍以上のサービスだと思って、単価3千円の頃から現在の2万円に至るまでサービスを提供し続けていました。万が一、サービスと相性が悪い案件だったとしても、「お値段以下」と思われて低評価のレビューがつかないような「余裕」を確保しておく必要があります。
従来の商売ルールだと過剰サービスとして疲弊してしまい、自分の首を絞める行為なのですが、シェアエコの場合、「価格を超えた余剰サービス分がレビュー評価として直球で返ってくる」ので、GIVEの精神が強い人ほど活躍しやすくなります。
3. スキルが磨かれると専門性が上がり、時間単価が上がる好循環
従来の商売手法にある「初回はノウハウをチラ見せだけにして、後で高価なサービスを売る」という方法もシェアエコでは勝てないパターンです。
ノウハウ100%渡すつもりで全力でサービス提供することで、プラットフォーム内で評判を上げていくのが重要です。出し惜しみしない姿勢が喜ばれて、相手からも貴重な情報や丁寧なフィードバックを頂くことで、結果的に自分のスキルが磨かれる速度が上がり、時間単価を上げられる好循環作りができるからです。常に全力で取り組んだ方が、何事も上達が速いのと一緒です。
4. 初速のレビュー集めは、知人・友人からまず3件
シェアエコは「レビュー評価が命」である為、レビューの多いサービスは売れ続ける循環に入りますが、逆にレビューが1件もないサービスは、まったく売れないまま半年以上、経ってしまうことも珍しくありません。
そこで、初期のレビューはご自身のSNS（Twitter、Facebook）などで告知して、まずは知り合いに低価格でお試し販売してレビューを書いてもらうのが鉄板の方法になっています。
第三者にサービス販売する上で問題ないか客観的にチェックしてもらったり、思ったことをそのままレビュー評価して頂きます。
5.「スキル」と「文章力」のみで勝負
「スキル」のシェアエコを活用した働き方は「自営業」の働き方とほぼ同じではありますが、細かい違いもあります。
それは一言でいうと、「スキル」と「文章力」の2つだけで勝負ができること。
集客、決済、他者推薦など自営業に必要なことをプラットフォームが用意してくれるので、自分の時間はスキルを磨くことだけに集中できて、それをサービス文章に反映することに注力するだけで売上を伸ばすことができます。
「営業力」や「人脈」などを持っていない、職人気質・オタク気質のような「一つのことだけを頑張ってきた人」がより報われやすい場所とも言えます。
私自身、「営業力」に必要な社交性も低く、仕事につながる「人脈」が何もない状態で、フリーランス生活をスタートしましたが、「スキル」をより純粋に評価してもらえるスキルシェアのおかげで本業収入レベルまで稼げるようになりました。色んなことが平均的にできないと評価されにくい会社員の働き方で苦労している方には、特にオススメです。
１日４時間だけ働く生活
今は1日平均4時間の仕事時間で、月の半分はお金にならないボランティア・地方活性化の仕事などをしています。
スキルシェアでは、サービス設計の裁量が全て自分にある為、何度もサービスを提供しながら、サービス内容を軌道修正することができます。
例えば、Webサイト運用サポートの仕事も請け負うことがありましたが、自分が一番得意でやりかったのは、ゼロからイチを作るようなサイト戦略作りであると途中で気づいて、それだけに特化したサービスに軌道修正していきました。結果的に、どんどん「自分らしい働き方」に近づいていく喜びを感じています。
単発仕事（ギグエコノミー）の欠点は長期サービス育成で解消
単発仕事（ギグエコノミー）なワークスタイルの欠点として、生活の不安定さがあります。会員数10万人以上のタイムチケットでも月20万円以上を継続的に稼いでいるのはまだ数名です。（※2018年1月〜5月の5ヶ月間の実績を平均して、一ヶ月当たり手取りベースで20万円以上稼いだ方）
実際に僕の場合でも、今年の2月はタイムチケット経由の売上が15万円程度に減って、一時的な落ち込みなのかも分からず、生活に大きく不安を感じることがありました。
単発仕事の不安解消の為、色んな長期サービスを検討していた中、「42時間かけてフリーランススキルを提供するサービス」というサービスが月1件以上売れはじめたことで、一気に収入が安定しはじめています。
プラットフォーム内の平均単価5,000円と比べると、70倍の高額設定で、それまでに高評価レビューを40件以上貯めていた信用貯金のおかげで、こうした売り方もできるようになりました。
シェアエコは低価格でないと売れない場所ではなく、アイデア次第で高価格サービスも売ることができます。
働き方革命の先にある課題へ
個人間取引メインの働き方ゆえに、昔ながらの個人商店街で働いているかのように、人との繋がりを感じながら生活できている喜びは大きいです。家と会社以外に人との自然な繋がりが生まれない生活から抜け出し、豊かな人間関係の中で暮らせるようになりました。
一方で、2018年のシェアエコ生活には「収入源が偏っている」「受け身の受注スタイルなので、月の売上を自分でコントロールしにくい」などの課題があり、まだ生活への安心感は十分とはいえない状況です。それも、少しずつ改善していける道筋は見えてきました。
今の生活を始めて言えるのが、魅力的なライフスタイルの体裁を整えただけで、心から幸せになれるほど人生は甘くないということ。
会社員生活よりはストレスは大幅に減ったものの、生活のコントロール権が全て自分にあるゆえの「悩み」も増えています。今後はいかに「悩み」を減らして、「安心」を増やしていけるか色々試しながら、働き方革命の先にある課題に取り組んでいます。（追記：2020年時点では、多くの悩みを解消し、豊かな生活をコントロールすることができてきています）
好きや得意を活かせるシェアリングエコノミーで、自分らしい働き方を追求したい方へのヒントになれば幸いです。
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